私は妊娠がわかった時、嬉しくありませんでした。
こわかったんです。
普通は喜ぶことなのになぜこんなにこわいのか…どうして喜べないのか…私に母性はないのだろうか?と悲しくて涙が溢れました。
お腹の中にいる我が子に何の興味も愛情も湧かなかったのです。
そして完全にマタニティーブルーに陥っていました。
こんな人もいるんだな、くらいに見ていただけると嬉しいです。
目次
妊娠するまでは
夫はずっと子どもを欲しがっていましたが私は子どもが欲しいと思ったことはありませんでした。
子どもが嫌いなわけでもありません。
欲しいとは思わない、でも年老いた時にやっぱり子どもがいたらと思うかもしれない…私のことだから後悔するかもしれない…。
子どもが欲しいと思ってなくとも、妊娠したら嬉しくなるのかも!と思ってたんですね。
だって、妊娠がわかって喜んでいない妊婦さんを見たことがありますか?
妊娠発覚、その時の気持ち
いつもと違う体の異変に気付き検査薬を使いました。
線が浮かび上がりました。え、陽性…。
まさか自分が!?妊娠!?こわい!!!どうしよう!!!嫌だ。無理だ。こわい。
<不思議なくらいに全く喜べない自分がいました。
ネガティブな感情しか出てこないのです。
本当に私の頭がおかしいんだと思いました。普通は喜ぶことなのに。私は普通じゃないんだ、と。
喜べない原因
なぜ喜べないのか考えると過去に原因があるような気がします。
私は母とあまりうまくいってませんでした。
結婚して離れて暮らすようになって今では仲良くできていますが昔はとても苦手でした。私に対する扱いがキツかったのです。
なので子を持つこと、自分が親になることにいいイメージはありませんでしたし、自分もそういった親子関係を築いてしまうのではないかという心配がありました。
そしてもうひとつ、出産がどれほど大変だったかをよく聞かされていたからです。私を出産する時、それはそれは大変だったそうです…。
そんな話をされても私が覚えているわけないし、幼い私に恐怖を植え付けただけだったのでした。
そんな私が妊娠した、ということはさんざん聞かされた辛い辛い出産が待ち受けているのです…考えただけでゾッとしました。
それらのことが原因なのかそもそもの私の頭がおかしいのかはわかりませんがこれまでの人生で一度も 子供が欲しい と思ったことはありませんでした。
無痛分娩
出産は痛みを伴います。痛いのは嫌です。誰だってそうです。
どれだけ我が子に興味がなかったのでしょう…母性がなさすぎますね…当時の私の自己中心さには呆れてしまいます…。でもこの時はそんな気持ちだったんだよね自分…。(これを書いてる現在、娘は10ヶ月。お腹にいる時こんな母親でほんとにごめんね、娘よ)
私は誰になんて言われようと無痛分娩をすると決めていました。
母性がないとか言われても平気です。自分でも母性がないと思っていたので無痛分娩を選択することになんの抵抗も迷いもありませんでした。
無痛分娩を選択したすべての方に 母性がない と言っているわけではありません。選択には様々な理由、事情があると思います。この話はあくまで私の場合です。悪しからず!
私はただ 自分が痛い思いなんてしたくない ただそれだけの理由で選択したのです。
なんで我が子のためにお腹痛めて産まないといけないの?痛くないほうがいいに決まってるじゃん…!そんな気持ちでした。これが当時の私の正直な気持ちです。
この時はまだ無痛分娩で私も娘もあんなことになるとは微塵も思っていませんでした…この話はまた別の記事で。
出産に要する時間なんてこれから始まる長い子育て生活に比べれば一瞬です。だから痛みを経験しないと母性が湧かないとか、そんな訳ないのです。
母性というものがそんな一瞬のできごとに左右されるはずありません。
家族からの反対は?
私は夫と実の両親に無痛分娩にすると伝えましたが反対はされませんでした。母には「べつに無痛にしなくてもいいんじゃない?」とは言われましたが反対はされませんでした。
当時無痛分娩で起こった悲しい事故のニュースがいくつか流れていたので不安そうな様子はありましたが、誰に反対されようが生むのは私なので。
義理の両親には伝えずです。無痛分娩に対してどう考えているかわからなかったので言わないでおきました。
初めての産婦人科へ
嬉しい はいつ出てくるの?嬉しくなるはずだと思っていたのに気持ちは沈んだままでした。
夫にあなたのせいで…なんて言ったこともありました。あの時はひどいこと言ったなと反省してます…。
そうだ、時間が経つときっと嬉しくなってくるはずだ…妊娠が嬉しくないなんて今だけだ…。エコー写真とか見たら嬉しくなるんじゃない!?
そして初めて産婦人科へ行きました。
エコーで胎嚢を確認。
ああ、やっぱり。
妊娠が確定しました。
あれ?やっぱり、嬉しくないや…こわい。
こわい
恐怖倍増でした。
そもそも内診(経膣エコー)が恐かったです。どうも力が入って痛いんです。足がプルプルと震えました。
内診が苦手だと伝えてみた
毎回内診があったので妊婦検診は憂鬱でしたね…。
妊婦健診が楽しみ!とか言ってる妊婦さんがすっごく羨ましかったです。
椅子に腰掛け、勝手にウィーンと台が上がって足が開き…下半身はカーテンで仕切られていて見えないし、カチャカチャとした何かの金属音はするし…思い出しただけでこわい…!こんなにこわいの私だけでしょうか!?
私は内診が嫌すぎて看護師さんにできれば内診はしたくないと伝えてみました。親身に私の話を聞いてくれる看護師さんで私の気持ちをわかってくれて、先生に伝えてみるね、と言ってくれました。
伝えてくれたのはとても嬉しかったですが、内診は毎回行うと言われてしまいました…。仕方ないですよね…。看護師さんにごめんね、と言われてしまいました。いや、逆にごめんなさい!わざわざ先生に伝えてくださったのでその気持ちは嬉しかったですね。
内診の回数を減らしてもらうことはできませんでしたが、看護師さんが伝えてくださったおかげか先生は痛くないようにと配慮してくれた気がします。最初だけでしたけどね!!!
緊張しすぎて体に力が入っていたのでそりゃ痛いですよね。
リラックスして内診に臨みたいところですが恐がりにはなかなか難しいものです。
病院によっては内診の回数を少なくしてくれるところもあるのでしょうか?経腹エコーだけでいいのに…と毎回思っていました。私のように内診がこわい、痛い、と伝えてみてもいいかもしれません。きっと少しは痛くないように配慮してくださると思いますよ。
そして相変わらず気持ちの整理がつかないままさらに追い討ちをかけるかのようにつわりがやってきてしまいます。
あの時の自分へ伝えたいこと
嬉しくなくて、こわくて、戸惑って、泣いていたあの時の私に伝えたい。
我が子ってかわいいんだよ。知らなかったでしょ。
大丈夫、ちゃんと愛せるから。